2013年から3年間、全国の民生委員と児童委員が支援した社会的孤立状態にある人の25.3%が認知症だった。全国民生委員児童委員連合会が民生委員制度創設100周年を記念して行った調査結果による。
調査は、2016年7月から9月にかけて全国の民生委員・児童委員23万1,551人を対象に行い、2013年12年から2016年11月までの任期期間に実施した支援事例について訊ねた。回答は20万750人、回収率は86.7%だった。
それによると、3年間に、社会的孤立状態にあり、課題や困りごとをもつ世帯への支援を行った委員は5万3,454人。支援対象者で、年齢が判明している人の71.4%が65歳以上の高齢者だった。支援対象者の15.5%が生活保護を受給しており、認知症がある人(疑いも含む)は25.3%。また、障がいをもつ人(身体、知的、精神など)は27.6%だった。世帯の状況では、46.7%とほぼ半数がひとり暮らしで、その多くが高齢者だった。
支援対象者とその世帯が抱える課題では、「病気・ケガ」が34.1%で最も多く、次いで「認知症」(27.4%)「近隣住民とのトラブル」(21.9%)となっている。高齢者世帯では、上位2つは全体と同様だったが、3位に「外出が困難」があがった。
民生委員の役割は、問題解決のために支援対象者を関係機関や専門職につなぐことだ。今回の回答事例について「つなぎ先」の有無を訊ねたところ、「つなぎ先があった」は71.4%で、つなぎ先の最多は、介護関連機関(地域包括支援センター、介護事業所)だった。支援後の状況では、22.5%が「課題や困りごとが解決した」、32.0%が「支えてくれる人や機関ができたことで、改善した」と回答した。支援対象者の年齢別では、年齢が高いほど「解決」の割合が高く、介護サービスの提供などが課題の解決へとつながっているケースが多いことが推測できる。
◎全国民生委員児童委員連合会
http://www2.shakyo.or.jp/zenminjiren/pdf/topics/chosa_1_gaiyo.pdf