神奈川県は9月24日、2009年度における県内の高齢者虐待の状況についての調査結果を発表した。発表によると、養介護施設従事者などによる高齢者虐待が8件で前年度より2件増加、家族などの養護者による在宅高齢者に対する虐待が577件で前年度より6件減少した。
このうち、家族などの養護者による虐待は減少したものの、依然として相談通報件数は962件と多い状況となっている。虐待は身体的虐待が384件(66.6%)と最も多く、心理的虐待244件(42.3%)、経済的虐待162件(28.1%)と続いている。
虐待を受けた高齢者は594人で、女性の比率は76.6%にも及ぶ。虐待者の割合は、息子が256人(44.4%)と最も多く、次いで夫130人(22.5%)、娘105人(18.2%)と男性が女性に対して虐待をするという傾向が顕著となった。
県は、高齢者虐待の防止に向けて、県民に対する啓発普及を行うほか、市町村職員や地域包括支援センターの職員を対象とした高齢者虐待に関する研修を実施するとしている。また、養介護施設の運営や体制などに問題があるような場合には、介護保険法に基づく指導・監査を行う方針だ。