AI(人工知能)やロボット技術が急速に発展する中、10年後に仕事を奪われない資格は何か―。通信教育などを手掛けるユーキャン(東京都新宿区)が、20~40代のビジネスパーソンに意識調査を行った結果、介護福祉士とケアマネジャーが共に上位にランクインした。
調査は昨年11月、20~40代のビジネスパーソン310人(男性159人、女性151人)を対象にインターネット上で実施。10年後の「AI・ロボット時代」に向け、仕事に対する意識を調べた。
10年後、自身の仕事をAIやロボットが代わりに行っていると思うか尋ねたところ、「代替されない」(40.0%)が「代替される」(36.8%)をわずかに上回った。仕事がAIやロボットに取って代わることについては、「期待している」が半数超を占め、その理由としては、「人間がすべき仕事に集中できるから」(38.0%)がトップだった(複数回答)。
「AI・ロボット時代」に向け、身に付けておきたいスキルを聞いた結果、「専門資格(専門知識・技術)」が28.1%で最も多く、次いで「実行力」(24.2%)、「論理的思考力」(23.9%)などと続いた(複数回答)。
ファイナンシャルプランナーや医療事務、簿記など21の資格の中から、10年後、AIやロボットに仕事を奪われない資格を複数回答で尋ねたところ、トップは「保育士」(28.4%)で、以下は「介護福祉士」(20.6%)、「メンタルヘルス・マネジメント検定」(18.7%)、「ケアマネジャー」(16.8%)などの順だった。
ロボット工学者で阪大大学院教授の石黒浩氏は、「これまで介護の現場では、食事や入浴といった身体的な補助を提供するのに精一杯で、カウンセリング的な要素は重要視されてこなかったが、今後は、ロボットの活用で身体的な補助の負担が軽減し、カウンセリングの要素がより重要視されていくだろう」とコメントしている。