エネルギーボール

デイサービスで働いていた頃のこと、同じ年の女性が同じ曜日にいらしていました。Aさんは毎回編み物や手芸などに精を出されていました。Bさんは一日中うとうとと過ごされていました。Bさんも若い頃は編み物をされていたと聞いたので、「手を動かすと脳にも刺激があって良いのですよ」としばしば声をかけ促しましたが「また今度ね~」とはぐらかされてしまいます。せっかくの時間を何もせずに過ごすのは勿体ないと私は感じていたのです。
その話を友人にしたところ、「人にはそれぞれ持って生まれたエネルギーボールがあって大きさは違うの。だから、同じ年の人ができるからって、同じことを求めなくて良いのではないかしら」「そのエネルギーを浪費しないように大事に使うことも大切」と言われました。
考えてみれば、お二人とも85歳を超えています。デイサービスに週数回通うことすら体力を使う年齢、Bさんはうとうとと過ごすことでエネルギーの浪費を抑えていたのかもしれません。
介護の現場では、声かけや励ましも時には必要ですが、それぞれの方のペースを尊重することの大切さも感じました。

介護についても同様です。献身的な介護をしている人の話を聞くと、介護サービスを多く利用することや施設介護を選択することに後ろめたさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、人と同じではなくても良いのです。自分ができる範囲での介護をすることが大切だと思います。認知症のお母様を介護されている方から以前相談をいただきました。「母は身体は丈夫なのだがらまだまだ大変ではない。寝たきりの家族を介護している人もいるのだから、私は頑張らなければ」と誰にも頼らず介護を続けていたところ、負いつめられ心のバランスも崩しそうになったとのこと。「無理をしたら続かない。できないことは助けを借りても良いのだ。」と考え方を変えて楽になったとのこと。今では介護サービスを利用し、家族の協力も得ながら、仕事と介護を両立されています。

仕事も普段の生活も同様に、自分自身のエネルギーボールの大きさを図りながら、無理のないペースで生活をするよう心がけていきたいと思います。
少し早いですが、皆様に取って来年も良い一年でありますように…

S ・ Y
介護相談員、ケアマネジャー、介護福祉士。 皆様のお気持ちが少しでも軽くなる、そんなお手伝いができればと思っています。
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