認知症の人やその家族が安心して暮らせる地域社会の実現に向け、愛知県は、都道府県では初となる条例案を発表した。条例案では、認知症の人がより良く生きていくための地域づくりに、全ての県民が「じぶんごと」として取り組むなど、3つの基本理念が掲げられている。県では、12月の定例県議会に提出し、成立を目指す。
条例案では、認知症に関する施策を推進するため、「県の責務」「県民の役割」「事業者の役割」をそれぞれ明記。県民自らが認知症に関する知識や理解を深め、認知症予防に尽力するとともに、県や市町村の施策に協力することが努力義務となっている。一方の事業者側は、従業員に対する教育の実施や、認知症の人やその家族が働きやすい環境の整備などに努めるとしている。
また、県の主な取り組みとして、▽県民の理解▽見守り体制の整備▽情報発信機会の確保▽認知症研究の促進―の4つを掲げ、見守りに関しては、市町村や関係団体などと連携し、見守り体制の整備や成年後見制度の利用の促進などに努めるとしている。
県では今年度の12月補正予算案で、条例について啓発するリーフレットの作成・配布やショッピングモールでの啓発イベントのための予算として377万円を計上している。