介護支援専門員について(続)

 以前、「介護支援専門員の試験は合格率13%の難関試験です」といった内容を書かせていただきましたが、今回もう少し介護支援専門員についてお付き合いください。

 介護支援専門員の試験を受験するには、そもそも受験資格が必要です。医師、看護師理学療法士社会福祉士介護福祉士等の国家資格を持っている者や施設相談員で、5年以上その業務に従事していること。実務経験5年でやっと受験できる、受験するのにまずハードルがあります。

 試験は、介護支援分野25問、保健・医療分野20問、福祉分野15問の計60問で行われ、「介護支援分野」及び「保健医療分野+福祉分野」の点数による、2つの合格基準があります。全体の点数が良くても、2つの基準を超えなければ不合格となってしまいます。医療職の人は福祉を、福祉職の人は医療を学習し直さなければなりませんし、介護保険法については皆が勉強しなければなりません。

 試験に合格し、「これで介護支援専門員だ~」といかないのがこの資格、まだハードルがあります。この試験の正式名称は、「介護支援専門員実務研修受講試験」といいます。ここからわかるように、「実務研修を受けていいよ」という試験なので、試験合格後に実務研修を受講しなければなりません。この研修がまた大変で、DVDの視聴、講義、実習を含め合計87時間も受講するのです。1日6時間勉強したとしても、約15日必要となります。この研修時間も以前は44時間でしたが、大幅に時間が増加され、ハードルが一気に高くなった感じです。
 さらに介護支援専門員資格は更新制であり、5年ごとに更新研修受講が義務付けられています。弁護士や税理士などの場合、それぞれの所属団体で知識向上のための研修などが行われていますが、法律で更新研修受講を義務付けている資格は、他に無いような気がします。
 これら実務研修、更新研修受講につき、休暇や受講料を負担してくれる職場もありますが、自分の有給休暇を使い、受講料も自己負担という方も少なくないのが現状です。

 無事に実務研修が終了すれば、都道府県にある「介護支援専門員資格登録簿」に登録し、「介護支援専門員証」の交付を受けます。やれやれ、これで晴れて介護支援専門員となり、仕事をすることができます。

 13%の試験に合格し、実務研修を受講し、5年ごとに更新研修を受ける。いくつものハードルを越え、息切れ状態の介護支援専門員がいるかも知れません。高齢者やその家族を支える立場の介護支援専門員ですが、逆に利用する皆様も温かい気持ちで接していただけたら幸いです。

K ・ Y
介護相談員、ケアマネジャー、社会保険労務士。 専門用語を避け、できるだけ分かりやすい説明を心がけています。
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