先日、テレビ番組の気象予報コーナーで、桜の開花予想の話が出ていました。今年は、九州・福岡では3月23日頃、東京では3月24日頃と予想されているようです。少し気が早いようですが、春に欠かせない行事の一つ、「お花見」が楽しみになってくる時期ですね。
その昔、お花見と言えば梅を見ることだったそうですが、平安時代になると桜が定番になりました。桜の美しさや、一瞬にして咲いて散ってしまう様子が、日本人の心を掴んだのでしょうか。桜は、「稲の神様が宿る木」とされていました。桜が満開になると、人々はお酒や食べ物をお供えして、米や麦など作物がたくさん取れるよう祈ったそうです。
平安時代、貴族の間では、桜の木の下で歌を詠んだり、音楽を演奏したりして桜を楽しみました。その後、江戸時代以降に庶民の間でもお花見の習慣が広がり、現在のように桜を見ながらお弁当を食べたり、宴会を行うようになったのです。
江戸に桜の名所を整備したのは、「八代将軍 徳川吉宗」と言われていますね。
「火事と喧嘩は江戸の華」江戸は火事の多い都市でした。人口密度が高く家々が密集していたため、一度火事が発生すると大きな被害が出ていたのです。火事騒ぎに紛れて盗みを働く人もいて、治安も良くありませんでした。
隅田川の堤、王子の飛鳥山、品川の御殿山。
吉宗は、各地に桜を植樹して庶民の憩いの場として環境を整備しました。頻発する火事による延焼を阻止するのが狙い。桜の他にも、柳や松を植える緑化も行なわれました。隅田川の桜は、堤防を保護する治水対策。各地の桜の名所には、飲食店を設置しました。経済効果を狙ってのことだったのでしょう。すべて「享保の改革」の一環だったそうです。
そういえば、もう随分と前のことですが、私も飛鳥山公園でお花見をしたことがありました。当時、介護の勉強をしていた仲間同士で交流を深めようと企画してくれた人がいたのです。夕方からのお花見だったので、夜桜は綺麗でしたが、たしか少し寒かったですね。
高齢になると、どうしても外出の機会が減り、四季の移り変わりを肌で感じるということが少なくなります。桜が咲く頃は陽気も良くなるので、外出しやすい時期かと思います。お父様やお母様、ご家族様間で誘いあわせて、ご近所の桜並木を散歩するなど、春ならではの季節を感じられる過ごし方をされてみてはいかがでしょうか。