財務省はこのほど、2018年4月と翌年同月のケアプランを比較した結果、利用者およそ4人に1人の内容が同じだったとする調査結果を公表した。同省は、「ケアマネジメントのサービスの質を高めるため、利用者負担を設定することで、利用者自身がケアマネジメントの質に関心を持つようにすることも考えられるのではないか」と指摘し、改めて“ケアプラン有料化”の必要性を主張している。
調査は、昨年度の予算の執行状況などを把握することが目的で、全国1571カ所の全ての保険者を対象に行われた。回答率は90.4%。
各保険者が要介護度別に無作為抽出した1万2603件分のケアプランについて、同省が18年4月と翌年同月の状況を比較したところ、同じ内容のものが全体の25.5%を占めた。
これを要介護度別で見ると、要支援1・2は27.4%、要介護1・2は24.7%、要介護3~5は24.4%で、同省は「全ての要介護度において、約4人に1人の割合でケアプランが1年間変わっていない」と指摘した。
■歩行補助杖などは貸与から除外を
さらに同省は、1年後も内容が同じだったケアプランのうち、772件が福祉用具貸与のみだったと指摘。このうち75.1%が要支援1・2で、その具体的な内容を調べたところ、「歩行補助杖」「歩行器」「手すり(室内用)」で全体の7割近くを占めた。
同省は、1割負担の利用者が月約1500円のレンタル料で3年間歩行補助杖を使用する場合、居宅介護支援費を含めて約41万4000円かかり、購入した場合と比べて40万円以上の費用が必要だとし、「歩行補助杖などの廉価な福祉用具については、保険給付による貸与から販売に変えることで毎月のケアプラン作成等のケアマネジメントの費用は不要となる」と主張した。
さらに、「介護保険サービスを利用していない方との公平性の観点からも、軽度者も使用することを想定し要介護度に関係なく給付対象となっている品目(歩行補助杖、歩行器、手すり等)については、貸与ではなく販売にすべき」と提言した。