内閣府は高齢者の運転に関するアンケート調査の結果を公表した。それによると、高齢者の半数以上は自分が運転する車で外出している上、80歳を超えた人でも4人に1人は車を運転し続けていた。運転を続けていると答えた人の7割近くが毎日運転するという結果も示された。
18日に政府が閣議決定した「高齢社会白書」では、60歳以上の人に外出の手段についてアンケート調査(複数回答)した結果が示された。なお調査は、昨年11月から12月、全国の3000人を対象に行われ、1870人が回答した
調査によると、高齢者の交通手段で最も多いのは「自分で運転する自動車」(56.6%)。次いで多かったのは「徒歩」(56.4%)で、以下は「自転車」(22.4%)、「家族などの運転する自動車」(20.5%)、「電車」(20.3%)、「バス」(20.2%)などの順だった。
■地方ほど増える「運転する高齢者」
「自分で運転する自動車」を外出手段とする高齢者は、大都市では38.4%にとどまったが、中都市では56.9%、小都市では66.7%、町村では66.8%と、都市や地域の人口が少なくなるほど、その割合が高まる傾向が見られた。
また、外出手段を「自分で運転する自動車」とする高齢者の割合は、60歳から64歳では78.8%、70歳から74歳では63.3%と、年齢が上がるにつれて減っていた。ただし、80歳以上の人でも26.4%は自分が運転する車で外出していた。
■「ほとんど毎日運転」は7割近く
さらに自分で運転する車で外出する高齢者にその頻度を尋ねたところ、67.4%の人は「ほとんど毎日運転する」と答えた。この回答を人口の規模別でみると、大都市では50.0%だったのに対し、中都市では66.7%、小都市では72.9%、町村では75.5%となっており、都市や地域の人口が少なくなるほど、毎日車を活用する高齢者が多いという結果も示された。
内閣府では、「都市部より地方で、車が日常生活に不可欠な存在であることがうかがえる」とした上で、高齢者の外出手段の確保が重要な課題としている。
■9割以上は「現在の地域に住み続ける予定」
現在の住所に住み続ける予定があるかどうかを尋ねた質問では、93.1%が「ある」と回答した。また、住み続ける予定と答えた人に、安心して生活を続けるために必要なことを複数回答で聞いた質問に対しては、「近所の人との支え合い」(55.9%)が最多となった。以下は「家族や親族の援助」(49.9%)、「かかりつけ医等健康面での受け皿」(42.6%)、「公的機関からの援助」(35.2%)、「移動手段や商業施設などの生活環境の利便」(30.1%)の順となった。