高齢の親が収入の無い子の生活を支える「8050問題」。ケアマネジャーの7割が、在宅の現場でこの問題に直面したり、見聞きしたりしていることが、ケアマネジメント・オンラインの調査で分かった。
ケアマネジメント・オンラインでは6月4日から11日にかけて、会員に対し、インターネット上で緊急アンケート調査を実施。132人から有効回答を得た。
在宅の現場で「8050問題」に直面したり、関連すると思われる場面を見聞きしたりしたことがあるどうかを尋ねたところ、「ある」が70%に達した。「ない」は23%、「分からない」は7%だった=グラフ=。
■親の施設入居を拒否し、パチンコに興じる子…
「ある」と答えたケアマネからは「子がパート勤務で、親の介護にもお金がかかり、親の年金をあてにしないと生活できない」や「独身の子が親の年金をあてにしている」など、年金が親と子の両方の生活を支えている事例が少なくないとする指摘が数多く寄せられた。
中には「施設入所の話を息子さんにしたら、息子さんが『自分が生活できなくなる』と断ったことも。でも息子さんは日中パチンコで遊んでいたり…」や「父、または母と同居している子が介護と称して金などを無心する世帯は、よくある」といった実情をコメントしたケアマネもいた。
また、「認知症の母と精神疾患の息子、という構図が多くみられます」や「高齢で認知症の親を介護する名目で退職し、生活依存されている子の家庭を数件担当しています」など、この問題に認知症や精神疾患が関与していることを示唆する声もあった。
■それでも現実を隠そうとする親も
さらに「50代娘と80代母が同居しているのに娘の姿は見た事がない。ゴミ捨てや掃除も全部、母親がやっていた」や「同居人はいないという親。しかし向こうの部屋で明らかに誰かいる」など、親が子をかばい、現実を隠そうとする実態を指摘するケアマネもいた。